頭皮のアトピー ~湿疹~

頭皮のアトピーの場合、著しい抜け毛を伴っていなければ、地肌の湿疹は髪に隠されて見えません。痛々しい湿疹が人目に触れない、という点は一つの救いかもしれませんが、この髪の存在が頭皮のアトピーを治りにくくしている面もあるようなのです。

アトピーの人は乾燥肌、つまり水分が不足している為に皮膚のバリア機能が低下している、と言われています。従って皮膚からのウイルス・細菌感染も起こりやすく、炎症が増幅して掻き壊しも一層激しくなり、バリア機能がさらにダメージを受けるのだとか。

頭皮は髪に覆われていて蒸れやすく、特に夏場や就寝中などは雑菌が繁殖しやすいそうです。湿疹に細菌などが感染し、炎症が絶えず治りにくい状態になりやすいと考えられます。

細菌感染を合併すると、とびひやフルンクロージスになることがあります。フルンクロージスとは、おできがたくさん出来たり、次から次に発生したりする状態。赤く腫れた、中心に痛みを伴うしこりのある発疹が出来て、膿が出ます。

またヘルペスウイルスに感染してしまうと、カポジ水痘様発疹症になることも。たくさんの小さな水疱が発生し、重症の場合はそれが全身に拡大して高熱が出ます。

アトピーは良くなったり悪くなったりを繰り返す病気ですので、アトピーの悪化に伴ってカポジ水痘様発疹症が再発することもあるのだそうです。

頭皮のアトピーでは、細菌感染等による湿疹の悪化を防ぐ努力が大切なようですね。洗い過ぎは良くないのですが、頭皮を清潔に保つことも重要です。うまくバランスを取って改善させたいものです。